梅岡設計事務所

2025

bar ei

西永福の商店街にある、バーの内装計画。

隣接する建物はオーナー家族の所有で、その建物を増築し、1.2階をバーとして計画している。

オーナーはビールとサッカーが好きで、このバーはそのために作ったといっても過言ではく、お客さんとスポーツ観戦を楽しみたいという思いが根底にある。一方で、スタッフによるお抹茶イベントなど静かな環境でお酒の味を愉しむ場面もあるように思われた。

工事前現場を訪れた際、新築の滑らかなコンクリートと、増築によってできたラフなコンクリートブロック壁の対比が印象的だった。

そこで、バーの静と動の相対する空間を、既存の対比を手掛りに、素材を丁寧に選定することで実現できないかと考えた。床は無釉せっ器質タイルの塗り目地仕上げ・カウンター腰壁垂壁は木毛セメント板・棚板はフレキシブルボードなど、セメント系の素材を選定し、ラフでカジュアルなバーを演出した。一方で、照明を少しずつ落としていくとそれらの要素はよりラフなものから順に姿を消していく。今度は滑らかな光をまとう他の要素が強調され、最後には天板が一枚空間に浮かび淑やかなバーとなる。

オーナーが生まれ育った西永福という落ち着いた街に、日々異なる彩りを与え、多様で多彩な人が集うお店になることを願っている。

 

所在地:東京都杉並区
工事種別:改修
用途:バー
延床面積:59.46㎡
施工:株式会社 阿部産業
竣工年:2025年4月
写真:小野寺宗貴